理解力の低下
うつ病の症状の一つの理解力の低下は、おそらく一般の方には予想以上のものです。
本当に酷いときには、日本語が理解できなくなります。
ですからドラマを見ても、会話の早さについていけず(会話の内容を理解する前にどんどん話が進んで行くので)まるで英語の映画を字幕なしで見ているかのような錯覚を覚えます。
そんな時は当然文章の読解力も落ちるので、たった1ページ読むのにも凄く時間が掛かります。
中学の頃、1字1句英文を略しながら意味を理解していた英語の教科書でも読んでいるかのようです。
理解力が落ちるのは言葉だけではありません。
例えば目の前に5本の鉛筆が置いてあるとします。
普通の人は「鉛筆何本ありますか?」と聞かれたら、わざわざ数えるまでもなく即座に「5本」と答えられるでしょう。
それが10本・20本だったら数えなければ答えられないでしょうが、5本程度なら目で見ただけで数が分かると思います。
ところが分からないんです。
目で追って数えても分からない。
指で1本1本数えて「5本」でした。
でもその答えに自信が無い。
もう一度指差し確認して5本・・・・・でもまだ自信が無い。
もう一度、1本1本数え終えた鉛筆は脇に移動させながら数え、3回目も5本だったら、初めて「やっぱり5本に間違いないようだ」と自信がもてるのです。
現在ではそんな会社は殆どないでしょうが、昔は入出金台帳は手書きのノートで、それをソロバンや電卓で計算したものです。
月々の金額の合計などは、全て手で計算していました。
3~7桁くらいの数字を何百行と合計して行く作業が、毎月何十もありました。
電卓で3回同じ答えが出たら「確定」でした。
2度目で最初と同じ答えが出たら「やっぱり正しい」と思い、3度目も同じ答えだったら「間違いない」と自信を持てたものです。
ですが、目の前にあるたった5本の鉛筆の数が、3度指差し確認で数えてもまだ「何となく不安を感じる」のです。
それくらい理解力が低下し、つまり仕事の作業効率が落ちるのです。
